篠栗町フリースクール山ねこ日記

「挑戦」を通して対話や協力することを学び、主体的に生きる力が育ちます

無表情に固まるかっくんの話

5年生から学校へ行かなくなった6年生のかっくんは、
山ねこに通い始めて半年が過ぎました。

少々、人見知りで恥ずかしがり屋だけれど
物知りで、よく周りを観察していて、
山ねこkidsの中では、リーダー的存在です。


そんなかっくんは、
友達間で問題が起こったりして
ネガティブな気持ちが湧いた時に
決まって、無表情なまま固まってしまいます。f:id:freeschoolyamaneko:20191217160302j:plain

山ねこに通い始めた頃は、
固まるどころか、顔は無表情なまま、
ぐるぐるぐるぐると、円を描きながら
イライラを収めるように歩き回ります。

しかし、このやり方では
いつまでたっても、かっくんの気持ちは消化不良。


かっくんが、ぐるぐる周り始める度に
私達スタッフは
かっくんに起こったこと、
そこから湧き上がる、かっくんの想いや気持ちを、
言葉にできない、かっくんの代わりに言葉にして
かっくんに伝え、かっくんの状態を確認してきました。

 

始めは、スタッフの言葉に
無表情に無反応だったりしましたが、
ぐるぐる周るのが、ピタリと止まるようになりました。

 

次第に、ぐるぐる周ることはなくなって
無表情に固まるだけになり、
だんだんと、スタッフの言葉に
頷いたり、首を振ったりと反応するようになりましたが、
まだ、自分の言葉で伝えることはありません。


自分の感じた事や思った事を、相手に伝えるのは勇気が要ることもあります。

かっくんが、
自分の気持ちを伝えるのをためらう理由は
・相手に受け入れられるか、
・相手を傷つけるのではないか、
・自分が傷つくのではないか、
・相手に嫌われるのではないか
・相手に悪意がないことを知っているから
という理由からだそうです。

 

それでも、
自分の感じた事を相手に伝え、受け入れられる経験や
相手や自分が傷ついた時、
相手に嫌われたり、自分が嫌いになった時、
それを乗り越える経験をしたときに、
かっくんにとって、どんなに安心できる環境になるだろう。

きっと、一度、安心できる環境を、自分のチカラで創り出せたなら、
その先も自分が安心して過ごせる居場所を増やしていくことだろうと思います。


かっくんに、
「かっくんの中にある、言葉にできない想いや気持ちを
 かっくん自身が自分の言葉で伝えることができるようになるまで
 私達、おとなが代わりに言葉にして、手伝ってはいくけれど、
 かっくんも自分で伝える練習をしていかない?」と伝えると、
かっくんは、うっすらと目に涙をうかべて、深く頷きました。


それからというもの、
かっくんの挑戦は続いています。
相変らず、一旦、目を細ーーーくして、無表情にはなりますが(笑)
フリーズした後に、ぼそぼそっと、
自分の感じたことや、考え、気持ちを、少しずつ言葉にしています。

また、半年後の、いや数か月後のかっくんの成長が楽しみです。


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