この気持ちをどう表現していいのかわからなくて困っているんだ!
こんばんは。
山ねこには、現在数名の小学生が通学しています。
生徒たちはまだまだ、コミュニケーションが上手くとれないことがよくあります。
ユメは、それでも一つ一つ経験から学べばいいと思っています。
ある日のことです。
山ねこの屋外で飼う予定の仔猫の名前をみんなで決めているとき。
ウミ、クロ、モモ、シマ・・・いくつかの候補が上がっていました。それぞれに投票をすると、ウミ、クロ、モモが2票づつで、シマが1票。そこでシマが候補から外れたのです。
するとシマというアイディアを出していたあーくんが、本棚の本たちを床に投げつけ、数枚重ねてあった座布団を投げつけ、外に飛び出していきました。
しばらくすると外から戻ってきて、ドスドスと大きな足音を立てて歩き二階へ。そして二階の床や壁をドンドン!ドンドン!と蹴る音がスクール中に鳴り響く。
分かりやすくアピールしてる~~~!!!!!だいたい想像つくけど・・・まぁ行くか。
ユメと補助スタッフが様子を見に行くとしかめっ面したあーくんが、壁をドンドン蹴っていました。
「あーくん。みんな何かあーくんの様子がおかしいと気付いているけど、正直とっても面倒だなともおもっていて無視していると思う。だけど、そうやって物を散らかしたり蹴ったり暴れたりしてまで気付いてほしい気持ちがあるのだと思うから話を聞きに来たよ。どうしたの?」
そう声を掛けました。
こちらをちらっと見たあーくんは、にらみつけるような顔で「だって、なんで僕の猫の名前じゃだめなんだよ!!」とさらに壁を蹴りながら叫びます。
そうかー。たかが猫の名前くらいってユメはおもっちゃうけどそれはユメの価値観。あーくんは自分が出した名前が採用されなくて悔しかったよね。
しかし、落ち着いて話そうにも暴れて手が付けられないあーくん。それを見たスタッフが一肌脱ぎます!!
あーくんの鏡のように壁と床をドンドンと蹴りながら言いました!
「なんであーくんは私の話を聞いてくれないんだよ!!あーくんの世界では、こうやって物を蹴って叫んで暴れたら言うこときいてくるんでしょ!?同じようにやるから私の話もきいてよ!!」
そういうと、すっと我に返って蹴るのをやめたあーくん。グスグスと泣き始めました。
「あーくん。自分の出した名前がみんなに採用されなくて悔しかったね。悔しくなったり、悲しくなったり、腹が立つことがあってもいいんだよ。だけどね、そんなときに物を散らかしたり、外に飛び出したり、壁を蹴って相手に気付いてもらおうとするのはとても分かりくくて困るよ。でも、あーくんはそうでもしなくちゃ自分の気持ちに周りが気付かないと思ってたもんね。ここでは、違うよ。これから、学んでいこうね。あと、猫の名前はまだ決定してないよ。あーくんだけではなくて、それぞれが主張を譲らないからまだ決まらないんだよね。みんな自分のアイディアが採用されればそれは嬉しいことだとおもう。だけど、いろんな人がいるときはいつもそう思ったようにいかないこともあるよ。
今回は自分のアイディアが採用されなかったけど、採用されたお友達がうれしそうで、自分もうれしい。そう感じることもあったりするもんだよ」
そう話して、すっかり落ち着いたあーくんは、皆の待っている1階へと降りたのです。
しっかし、相変わらずほかのメンバーは「ウミがいー」「クロがいー」と譲らず。
「じゃあさ、両方を採用して ウミクロは?」と提案するも、(-。-)こんな顔されて却下となりました。ユメとしてはいいアイディアだとおもったのに。
もうさ、好きに呼んだらいいんじゃないの~。(と、内心どうでもよくなったユメ)
さー、猫の名前はいったいどうなることやら。
たかが猫の名前・・・されど猫の名前・・・笑。
きっかけはそんなことでも、今日も山ねこではドラマが繰り広げられるのでした♪